飲食店開業の重要事項
まず、『賃金センサス』95年版によって男子大学卒、1000人以上規模の事業所の所定内給与額を30〜34歳、40〜44歳、50〜54歳について調べる。
それに17を掛けた数値(賞与を5ヵ月分と想定)を、それぞれの年齢段階の平均年収とみなす。
その額と右の格差比率から計算できる年収差を、指数とともに示した。
50歳の最下位グループは40歳のトップグループより166万円低く、同年代のトップグループより552万円低い。
上下それぞれ10%の従業員をとっているので、トップ、最下位ともそれは例外者を意味しない。
大きな賃金格差が生まれているといえよう。
以上の格差は、とはいえ、男子大卒ホワイトカラー内部にかぎってのことである。
能力主義管理は、右のようなキャリア展開型の総合職グループ内での賃金格差を拡大させる一方、キャリア展開の閉ざされた一般職グループヘのきびしい昇給停滞にも論拠を与え、結果として性別賃金格差をも拡大させている。
実質的に、ときには均等法の主旨に背いて制度的にさえ、女性労働者は一般職グループに囲い込まれているからだ。
6人のヴェテランOLが賃金の性差別を告訴している商社兼松の例を紹介する。
ここでは1985年にコース制を採用したとき、管理職以外の男性を「一般職」(ふつうの例では「総合職」)、女性を「事務職」(ふつうの例では「一般職」)に一律に配置した。
賃金テーブルも、前者には従来の「男性用」、後者には「女性用」が適用されている。
こうして95年には、事務職女性の本俸最高額(54歳)30.3万円は、一般職男性27歳の本俸30.4万円を下まわるのである。
兼松の場合は、伝統的な賃金の性差別がなお維持されているという性格も濃厚である。
しかし、より注目すべきことは、しばしばみられるコース別管理の下での大きな性別賃金格差は、告訴をうけた経営側によって、能力と業績の要請内容を異にするそれぞれのコースへの「性別を問わない」個人の選択の結果である、つまり能力主義の原理にもとづくもの、と説明される場合が多いことにほかならない。
すでに部分的にふれたけれども、多くの女性は、日本企業に特徴的な「能力」の要請に、当然にもなかなかなじめないのである。
2高まる仕事量のハードル職務割当ての拡大能力主義管理の強化が労働者に課する負担として、次に注目されるべきは、個人間賃金格差をもたらす直因としての人事考課に強制される、あるいはそれにうながされる働きすぎである。
1980年代の後半以降、過労死の頻発を契機に日本の代表的な社会問題のひとつと認知されるようになった働きすぎは、ふつう長時間労働の点から説明されることが多い。
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